Jungle Jam ― 2015年08月30日 17時32分20秒
今夜は彼の家にお泊り。創作食品の会社を経営していて、輸出で儲けているみたい。三十半ばというのに都心の高級マンションに住んでいるところが自慢の彼氏なの。
でも、エッチの時にも商売の事を考えてるのが玉に瑕。この間なんて、私の下半身に顔を埋めながら大声で叫ぶんだから。
「これだっ!」
せっかく気持ち良くなってきたところなのに台無しじゃない。
「どうしたの? いきなり」
「新商品のアイディアが浮かんだんだ」
「新商品って?」
「今度、海外向けに昆布ジャムを売り出すんだけど、インパクトが足りなくて悩んでいたんだよ」
「昆布のジャム?」
怪訝そうに訊く私に、彼はキラキラと瞳を輝かせた。
「これが美味いんだよ。切り刻んだ昆布を蜂蜜や酒で煮詰めるとジャムになるんだけどね。それに歯応えのある金糸昆布を絡めたらどうかなって、今思いついたんだ」
後日、試作品を食べさせてもらったけど、かなり美味しくてビックリ。
「へぇ、和風マーマレードって感じね」
「そうだろ? 食感もいいから欧米でも売れると思うんだ。それで商品名も考えてみたんだけど……」
その名は『Jungle Jam』。
悪かったわね、ジャングルで。
500文字の心臓 第141回「Jungle Jam」投稿作品(☆逆選王)
でも、エッチの時にも商売の事を考えてるのが玉に瑕。この間なんて、私の下半身に顔を埋めながら大声で叫ぶんだから。
「これだっ!」
せっかく気持ち良くなってきたところなのに台無しじゃない。
「どうしたの? いきなり」
「新商品のアイディアが浮かんだんだ」
「新商品って?」
「今度、海外向けに昆布ジャムを売り出すんだけど、インパクトが足りなくて悩んでいたんだよ」
「昆布のジャム?」
怪訝そうに訊く私に、彼はキラキラと瞳を輝かせた。
「これが美味いんだよ。切り刻んだ昆布を蜂蜜や酒で煮詰めるとジャムになるんだけどね。それに歯応えのある金糸昆布を絡めたらどうかなって、今思いついたんだ」
後日、試作品を食べさせてもらったけど、かなり美味しくてビックリ。
「へぇ、和風マーマレードって感じね」
「そうだろ? 食感もいいから欧米でも売れると思うんだ。それで商品名も考えてみたんだけど……」
その名は『Jungle Jam』。
悪かったわね、ジャングルで。
500文字の心臓 第141回「Jungle Jam」投稿作品(☆逆選王)
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