気体状の学校 ― 2016年05月07日 07時42分24秒
「神様。人間界から贈り物が届きましたぞ。沢山のスプレーが入っています」
「どれどれ。ほほお、それぞれのスプレーに名前が書いてあるの。このスプレーは『警察』じゃ」
「手紙には、治安の悪い地域にシュッと噴霧して欲しいと書かれています」
「では早速、試してみるかの」
神様が『警察』のスプレーを噴霧すると、適所に警察署が建設されてたちまち犯罪が減少する。
「これは面白い。では、この『学校』というスプレーはどうじゃ?」
「子供の多い地域に噴霧してみるのがよろしいかと」
神様が『学校』のスプレーを噴霧すると、その地域に適した学校が建設された。
「おお、こっちには小学校。あそこには中学校。幼稚園も沢山できたぞ」
面白がってあちこちにスプレーを使う神様。しかし、にこやかだった神様の表情がだんだんと曇ってくる。
「どうされました?」
「学校ができて子供の笑顔が増えるのはええんじゃが、どんどんと待機児童が増えていくんじゃよ」
「では『保育園』のスプレーが必要ですね。あれれ、贈り物の中には入っていませんが……」
「仕方が無い。これで『保育園』のスプレーを作る工場を作ってみるかの」
そう言いながら神様は『産業』のスプレーを噴霧し始めた。
500文字の心臓 第147回「気体状の学校」投稿作品
「どれどれ。ほほお、それぞれのスプレーに名前が書いてあるの。このスプレーは『警察』じゃ」
「手紙には、治安の悪い地域にシュッと噴霧して欲しいと書かれています」
「では早速、試してみるかの」
神様が『警察』のスプレーを噴霧すると、適所に警察署が建設されてたちまち犯罪が減少する。
「これは面白い。では、この『学校』というスプレーはどうじゃ?」
「子供の多い地域に噴霧してみるのがよろしいかと」
神様が『学校』のスプレーを噴霧すると、その地域に適した学校が建設された。
「おお、こっちには小学校。あそこには中学校。幼稚園も沢山できたぞ」
面白がってあちこちにスプレーを使う神様。しかし、にこやかだった神様の表情がだんだんと曇ってくる。
「どうされました?」
「学校ができて子供の笑顔が増えるのはええんじゃが、どんどんと待機児童が増えていくんじゃよ」
「では『保育園』のスプレーが必要ですね。あれれ、贈り物の中には入っていませんが……」
「仕方が無い。これで『保育園』のスプレーを作る工場を作ってみるかの」
そう言いながら神様は『産業』のスプレーを噴霧し始めた。
500文字の心臓 第147回「気体状の学校」投稿作品
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