ひょんの木2013年12月27日 06時24分00秒

「ねえ、朱里、あいつまだ朱里んちに居る?」
 オフィスに着くと、同僚の日奈が心配そうに訊いてくる。
「ああ、居るよ。部屋でおとなしくしてるんじゃない?」
 あいつというのは、日奈の彼氏で私の元カレのこと。飯を食わせてくれと、先週私のところに転がり込んできた。
「あいつ、二度と私のところには来ないよね?」
「なに? もう飽きちゃったの?」
「だってあいつ、全然仕事しないんだもん」
 日奈はぷうっと頬を膨らませる。
「大丈夫よ、部屋から出て行かないわ、鍵を渡してないし。ほらウチってオートロックでしょ」
 今度出て行ったら、絶対部屋に入れてあげないんだから。
 女に食べさせてもらいたければ部屋でじっとしているくらいの甲斐性は見せるべきだと、私達はあいつの話で盛り上がった。

 帰宅すると、あいつは居なかった。
 窓が少し開いていて、ぴゅうと風鳴りがする。
「どんな顔して窓から戻って来るのかしら」
 私は冷蔵庫からワインを取り出すと、灯りもつけずにソファーに腰かけ、リビングの窓を肴にグラスを傾けた。



500文字の心臓 第127回「ひょんの木」投稿作品

コメント

_ 100% free dating sites for geeks ― 2017年03月23日 07時13分45秒

You are so cool! I do not think I've read a single thing like
that before. So great to discover somebody with genuine thoughts on this subject matter.
Seriously.. thank you for starting this up.
This site is something that's needed on the internet,
someone with a bit of originality!

_ free dating sites no fees ― 2017年03月23日 08時05分01秒

Hi it's me, I am also visiting this website daily, this
website is in fact good and the viewers are truly sharing
good thoughts.

_ free dating sites no fees ― 2017年03月23日 10時56分36秒

Thank you for the good writeup. It in fact was once a
leisure account it. Look complex to more introduced agreeable
from you! By the way, how could we communicate?

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://tsutomyu.asablo.jp/blog/2013/12/27/7157889/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。